荻生徂徠

「学問は歴史に極まり候」(『徂徠先生答問書』)

「聖人」とは

堯・舜・禹・湯・文・武といった古代中国の建国の王(先王)という歴史的存在

「道」とは

普遍性の代名詞

「先王」がこの人間世界を万全に営むために作った、「礼楽刑政」といった具体的な文物

                             

現在はこの文物はすでに滅び去り、その破片しか残されていない

→歴史相対主義の陥穽へ(近代ロマン主義のような)

                                           

※歴史主義的思考は徂徠の同時代に広く共有されていた

伊藤東涯(1670~1736)伊藤仁斎の息子

『古今学変』に代表される歴史主義的傾向

新井白石

『読史余論』『古史通』

林家

朱子学歴史観『本朝通鑑』

水戸学

大日本史

 

古文辞学

古代中国語を研究して古代の文章を正しく理解しようとする学派

先王の道

人為的に作られた道(安天下の道)

               

孔孟の道

中国の儒家の古典『六経』(『易』『書』『詩』『礼』『春秋』『楽』)に記されている道

礼楽刑政

経世済民を目的とする社会制度

 

               

道徳と政治の連続性が断ち切られ、政治の固有の領域と論理が確立(丸山眞男

「道」

過去の聖人によって「安民」「安甜歌」のために制作されたもの、規範

                             

人間の主体性の宣言=近代的な思惟様式

勧善懲悪から文学を解放

道徳的鑑戒から歴史を解放

                             

秩序=人間が特定の目的のために作ったもの

→作り変えることができる

「自然」から「作為」へ

「である」から「する」へ

 

 

国家主義」の祖型としての後期水戸学への連続(尾藤正英)

「護国の鬼神」的言説論のレールの起点(子安宣邦

「国体」の一起源としての陰謀的発想の源流(渡辺浩)

↑徂徠を主題とした研究が近年減少