近代日本の超国家主義
「超国家主義」
大正から昭和にかけての右翼思想のキーワード
超国家主義の主要人物が網羅、多種多様な思想
天皇制国家=決断も責任もない国家
「超-国家主義」への疑問
丸山の理解の前提
「明治以後の近代国家の形成過程に於いて」「国家主義の技術的、中立的性格を表明しようとしなかった」こと
→超国家主義は日本近代を一貫するもの
橋川文三の疑問
丸山の分析は大正昭和の超国家主義を、明治以来の「日本の国家主義一般から区別する視点ではな」く、「日本ナショナリズム運動の変化を解明するにはあまりにも包括的」であり、「とくに日本の超国家主義をその時代との関連で特徴づけるものではない」
→もう一つの超国家主義理解
橋川文三の「超国家-主義」
「人間が国家を超えるという思想的欲求を抱くのは、現存の国家に期待しなくなった場合である」=橋川文三の超国家主義理解
太平洋戦争期に実在したのは、まさに超国家主義そのもの
明治末期から昭和初期にかけての「社会矛盾」の深化←橋川が注目
社会矛盾=国民精神の弛緩、生活様式の激変、都市化、工業化、階級差の拡大、伝統的倫理の崩壊、人間の孤独化
→日本人の共同性を支えた伝統が崩壊し、アノミー(規範喪失)の時代へ
超国家主義=特殊な時代相が生み出した変革への欲求
→右翼、マルクス主義(左翼)が登場
・右翼=「種」的なイメージに依拠(美しい民族、新しく強固な共同体、日本、アジア)
・左翼=「類」的なイメージに依拠(全世界の人民、全世界のプロレタリアート)