2022-08-04から1日間の記事一覧

朝日平吾

家族的国家観 真に頼れる者として天皇を見出す 「日本人はみな、天皇の子であり、ひとつの大きな家族である」 日露戦争後の社会が共同性を喪失していったことへの怒り 「だが現実はそうなっていない!」 日本人が不幸な理由 天皇と国民の間を遮り、父親が子…

井上日召

「普遍・絶対・唯一者」への宗教的関心を維持 キリスト教→禅→日蓮宗 伝統的倫理(武士道・国民道徳)ではなく宗教的契機による行動 ①超越的なものを媒介にアノミーを乗り越えようとする =大正風の求道精神 ※大正風=明治期には当たり前だった伝統的規範や共…

職分論とイエ思想

町人の思想・農民の思想へのアプローチ 社会の成熟(近世の歴史的特質) →町人・農民の思想(庶民思想)の形成 庶民思想とは ①思想家の出自が庶民である ②思想内容が庶民の思想的自覚を直接反映し、生業に従事する庶民の社会的存在を積極的に肯定すること (…

近世的公儀理念の形成

中世国家の主宰=「治天」(天皇家の家長) ↓ 足利義満以降、公家の機能の多くを武家が吸収 「室町殿」(足利将軍家の家長)を中心に公家と武家が穏やかに連合する政権が国家支配の中核へ ↓ 下剋上の進行に伴い、従来の支配の枠組みの有効性が低下 各地の戦…

日本の近世思想

1 近世社会の特質 世俗的な秩序化 宗教 世俗の秩序化の進展 →宗教が世俗の生活によって意義づけられる 宗教 地上の権力や権威に相対化させる契機 一向一揆、法華一揆、キリシタン一揆 ↑徹底的に壊滅=近世の統一 信長、秀吉、家康の自己神格化 宗教政策 寺…

浅見絅斎

『靖献遺言』 中国の忠臣義士の行動について記した書物 正統の王朝に忠義を尽くし、敵対者には徹底的に抵抗した人物たち 忠義の対象は正統性の有無だけで決まり、自分の利害はもちろん、その反抗が世の中のためになるかどうかも全く考慮しない ・屈原 ・諸葛…

山崎闇斎

崎門学の創始者 闇斎の提唱した朱子学を、崎門学または闇斎学という。 湯武放伐を否定 『湯武革命論』 殷の湯王は夏の傑王を放ち、周の武王は殷の紂王を伐ったことは是か非か? ※中国の儒家も結論を出せなかった 明確に否定する 臣下が主君を殺すこと(乱臣…

荻生徂徠

「学問は歴史に極まり候」(『徂徠先生答問書』) 「聖人」とは 堯・舜・禹・湯・文・武といった古代中国の建国の王(先王)という歴史的存在 「道」とは 普遍性の代名詞 「先王」がこの人間世界を万全に営むために作った、「礼楽刑政」といった具体的な文物…

朱子学

朱子学以前は僧侶が儒教を研究 戦国武士道 情緒規範→不安定 徳川家康「安定的な規範道徳を確立しなければ」 儒教(朱子学)の理論を導入 身分社会 湯武放伐の肯定

聖徳太子

和の精神 仏教、儒教、法家の影響がみられる 「和」 ※『論語』からの引用 【原文】有子曰、礼之用和為貴、先王之道斯為美、小大由之、有所不行、知和而和、不以礼節之、亦不可行也。 【書き下し文】有子曰く、 『礼の用は和を貴しと為す。先王の道も斯れを美…

日本思想史における「神話」

「神話」の機能 物事の起源や来歴を語り現実を根拠づける 個人の経験を超えた事象を説明する 世界や人間の社会、そして自己のアイデンティティを規定する 歴史に見た「神話」 古代の神話がそのまま享受されてきたのではない 現実の側の歴史に応じて、変化を…